【短】You're my only shinin' star
そんな、通年とは違ったバレンタイン。
あの後、麻沙美は泣くのを必死で止めて、
「ごめんね?忘れてもいいから。きみくん困らせたくないから…」
と、半ば無理矢理笑顔を作って、自分の家へと戻ってしまった。
その場に一人残された俺は、ただただ今起こったことに対して呆然とするだけで、右手にある麻沙美からの気持ちだけがぐるぐると胸の中に残った。
一度自覚してしまえば、元々行動力だけは早い俺だから、…自分の言葉を、気持ちを、麻沙美に伝えるだけだったのだけれど。
逃げて逃げて、避けまくる麻沙美。
それを追おうとして、失敗しまくる俺。
まるで、エンドレスの鬼ごっこ。
こんなの、今時の小学生だってしないだろうが。
そんな風に思った。