【短】You're my only shinin' star


そうして、迎えてしまった桜の花が一足先に咲いたホワイトデー。

俺たちの関係は一気に変わる…。

はずだったのに。


校門を出てから、駅に向かう麻沙美を見かけて、俺は走り出す。
すると、その気配に気づいたのかなんなのか、麻沙美は滅茶苦茶早足で駅の構内へと駆け込んでしまう。


がたんがたたん

しゅー…


そのまま、ホームに向かった麻沙美。
丁度良く停車した電車に乗り込もうとした麻沙美の手を掴む。


かしっ



「はぁ…っ。麻沙美…やっと追い付いた!」

「きみ、くん…?」

「お前、逃げるのうますぎ!どんだけだよ、マジで」

「だって……」


と、それまで俺たちの様子を伺っていた、周りの視線に気付いて、俺は少し早口で麻沙美の手を引く。
勿論、なるべく怖がらせないように声掛けしながら…。



「あの、さ?とりあえず…ココじゃなんだから、遠回りしながら帰ろうぜ?」

「う、うん」




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