きみのため
紫乃くんはネオン輝く市街地を走るより
山や田舎道など、シンプルだけど奥深い場所を走るのが好きみたいで。
最初はちょっと不満だったけど
あっという間にこの自然の美しさに魅了されてしまった。
というか、なんだかんだ紫乃くんと一緒なら、どこでもいいのかもしれない。
ホント自分単純ていうか
紫乃くんにベタ惚れしてる。
「あー!早く高校卒業したい!」
「あと少しだもんね」
「そうそう!そしたら
紫乃くんと一緒に住めるでしょ?」
わたしは、ちらりと紫乃くんを見た。