【プロット】冴えない私は異世界で、傾国の美女にならないといけないようです
1-3話プロット
第1話

彩織が無理矢理連れて行かれた仕事部屋では、男が待っていた。彼が自分を買ったのだと悟った瞬間、唇を奪われる。
「まるで初めてみたいだな」
抗議しようとして、言葉がわかることに気づいた。いままで一切、理解できなかったのに。彩織が娼館で働いているのはここの主に拾われたからだった。その日、ほかの社員の失敗を自分のせいにされ、会社をクビになった。しかもその失敗を犯したのが片思いをしていた相手で、彼のためならとかぶったのに、あいつに押しつけられてラッキーだったと笑っていたとなれば救われない。どうせ自分が悪いのだと暗い気分でホームに立っていたら、酔っ払いにまで絡まれる始末。しかも軽く抵抗したら押され、ホームに落ちた。迫ってくる電車に目を閉じ、次に開けたら知らない世界にいた。


第2話

朝、目が覚めたらまた、言葉がわからなくなっていた。魔法の効力は一日しか効かないらしい。身支度のあと、仕方なくランツのキスを受け入れる。そんなに嫌そうな顔をするなと笑われた。朝食のあと、風呂に入れられ、磨かれた。髪を結われ、化粧を施され、ドレスを着せられて鏡の前に立たされる。背筋を伸ばせと背中を叩かれ、見たそこには美人がいた。これが自分だと信じられない。
「磨けばさらに美しくなる、それこそ国を傾けるほどに」
ランツの言葉は信じられない。けれど冴えない自分がどんな魔法かこれほどの美人になったのだ、少しくらい信じてみてもいいかと彼に従う決心をする。その日から彩織の、傾国の美女への道がはじまった。


第3話

朝、勇気を出して起こしに来てくれる下女にこちらの言葉で彩織が挨拶をする。けれど、変な顔をされた。それはランツが毎朝、キスをする前に彩織へ言う言葉で、おはようという意味だと教えてくれたが、発音が悪かったんだろうか。朝食の席で落ち込んでいたらランツから理由を聞かれ、話したら笑われた。次からは大丈夫だと言われても信じられない。今日は頑張っている褒美に楽しませてやろうと、懇意にしている貴族の娘を何人か呼んでお茶会を開いてくれた。彩織のことは遠く東方の国から来ている王族だと紹介され、ボロが出ないか緊張する。娘たちは行儀正しかったが、その目つき、言葉の端々でランツを慕っているのだと気づく。さらにそれに、もやっとしている自分にも。
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