フェアリー・ロマンス~転生したら妖精の赤ちゃんに!?~②巻。
少し早めに切り上げてパレードを見るために特等席を確保する。
それでも混んでいて後ろ側になってしまったが。
私は、ワクワクしながらチラッとキラ君を見る。
するとキラ君は、あくびをしながらウトウトしていた。
「キラ君、もう少しだから。頑張って起きてて」
「カレン。あまり無理させるのは……」
「だって……もう少しなんだよ?キラ君ファイト」
「本人は“うるせーよ”と言ってますけどね」
もーまたツンデレな事を言っているし。
ルイに通訳してもらうが、毎回そればかりなんだもん。
もうと頬を膨らませていると園内アナウンスが流れてきた。まもなく始まるらしい。
5分ぐらいしたら、遠くから音が聴こえてきた。
どうやら始まったらしい。
曲に合わせてゴンドラが近付いてくる。
周りには、ダンサーの方が踊りながら誘導していた。
私は、何とか見ようとぴょんぴょんと跳ぶ。
するとシンが、見やすいように肩車をしてくれた。
そうしたらルイもそれを真似してキラ君を肩車させて見させた。
背の高いシンが肩車をしてくれたので、一気に見えるようになった。
ゴンドラが目の前まで来た……。
「うわぁ~すごーい!!」
暗闇の中でゴンドラは、スポットライトを浴びてキラキラと黄金のような光っていた。
キャラ達は、曲に合わせてゴンドラの上で踊っている。
そして手を振ったり投げキスをしていた。
あまりの輝きと曲の音で私まで踊りたくなった。
曲に合わせて手で真似をしてみせた。
「暴れて落ちるなよ?」とシンが注意するが、今の私は、まったく耳に入ってこなかった。
大興奮しながら踊っているとチラッと横で同じように肩車をしているキラ君に目が止まった。
キラ君は、まったく踊ったりしていないが、大人しくパレードを見ていた。
あんなに眠そうにしていたのに目が開いていた。
それどころかライトの光のせいかもしれないが、目をキラキラさせているようにも見えた。