フェアリー・ロマンス~転生したら妖精の赤ちゃんに!?~②巻。
私は、お姉ちゃん。
私は、今日も元気よく小学校に通う。
学校には、だいぶ慣れてきた。
新しい友達に一華ちゃんと瑠璃ちゃんも居る。
ただ前と違うのは……。
クラスに入って行くと一華ちゃん達や他のクラスメートの子達に挨拶をして前の席に着いた。
チラッと後ろ側の窓際の席を見る。
そこにはキラ君の席は、存在していなかった。
キラ君が妖精に転生してからキョウ様は、側近のセイ様に指示を出して学校での記憶をすべて消させてしまった。
クラスの皆や先生達は、キラ君が学校に通っていたことの記憶をすべて忘れてしまい覚えていない。
それは、仕方がないことだと分かっていても、何だか寂しいものがあった……。
私は、彼があそこで退屈そうに窓の外を眺めていたのを昨日のように覚えているのに。
仲良くなったのもこの学校が始まりだった。
それを無くしたように思えて胸の中がチクりと痛む気持ちになった。
「カレンちゃん。昨日のマジカルリリー観た~?」
すると一華ちゃんと瑠璃ちゃんが私に話しかけてくれた。
「うん、観たよ~リリー可愛かったね。
新アイテムも出たし……」
「そうそう。あのアイテム欲しい~」
昨日のアニメの話で盛り上がる。
1年生なので話は、アニメや好きなもの。
最近では、お洒落アイテムやオモチャも大人気だ。
私もその話に参加する。
精神年齢は、16歳でもまだまだ子供。
そういう話は、嫌いではない。
新しい話が広がり、むしろ楽しかった。
ただそこにキラ君が居ないのは残念なだけだが……。
そしてまだか、まだかと授業が終わるのを待った。
給食を食べて、昼休み、掃除。
そして4.5時間目の授業が始まり……。
やっと下校のチャイムが終わった。
私は、すぐに帰る身支度をする。
ランドセルに荷物を詰め込み、閉めると慌てて背負う。
そして黄色い通学帽子を被ると一華ちゃん達に
「じゃあ、また明日ね。バイバイ」と手を振りクラスから飛び出して行った。
バタバタと廊下を小走りで走り下駄箱で靴に履き替えた。
玄関に出るとちょっとシンが迎えに来ていた。
シンは、私のお世話り係の人だ。
小麦色の肌に金髪碧眼。妖精なのもあるが
芸能人顔負けのイケメンだ。
ちょっと扱いが乱暴なところもあるが、優しくて頼もしいお兄さんみたいな存在だ。
最近は、ちょっと父親っぽいけど。
「お、丁度タイミングがいいな。
今迎えに来たところだ。お帰り~カレン」