君がいなくなった後の世界で
☆ ★ ☆


重たい瞼をゆっくり開けると、そこには、見慣れない白い天井。

‥‥‥ピッ‥‥‥ピッ‥‥‥ピッ。

私の横には、規則正しく音が鳴っている機械。

それに、消毒の匂いがして、ここが病院だということが分かった。

「‥‥‥瑞希?」

傍には、涙を流しているお母さんがいた。

それに、お父さんも。

「瑞希、分かるか?」

「‥‥‥うん」

身体中の痛みに我慢しながらもなんとか頷く。

「まったく‥‥‥。2週間も目を覚さなかったのよ。それに、危険な状態が続いていたんだから」

「‥‥‥ごめんなさい。心配かけて」

今更になって、ビルの屋上から飛び降りたこと後悔してる。

だって、私のせいでこんなにも両親を悲しませてしまってるから。
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