君がいなくなった後の世界で
「さっきは、『来るな』って怒ってしまったけど、本当は‥‥‥」
次の瞬間、彼は優しい笑顔を浮かべた。
「大好きな瑞希に、もう1度会えて嬉しかったよ」
「‥‥‥っ!」
‥‥‥もう、瞬のバカ。
素直になるのが遅いんだから。
「私だよ! 大好きな瞬に会えて嬉しかった」
「これからも好きだよ。空の上でいつまでも瑞希のこと見守っているから。瑞希は、1人じゃない。現実世界に戻っても、きっと瑞希の帰りを待っている人たちがいるよ」
それなら、ちょっぴり嬉しいかも。
現実世界に瞬がいないことはとても寂しいけれど、私は1人じゃないんだと思える。
本当は、瞬と一緒に高校卒業したかったし、一緒に大人になりたかった。
もっと笑い合いたかったし、話したいことだってたくさんある。
でも、それすらも叶うことはないけれど‥‥‥