HONEYBEE(3)~エリート外科医の婿入り婚!!溺愛は御遠慮致します~
私は幕の内弁当を半分残して、コイン捜しを開始。

部屋中を捜し回り、こんな所には絶対にないだろうと思うような場所まで開けて、捜した。

「私のコイン、コイン・・・」

二十二年、大切に持っていたコイン。

コインの存在にどれだけ助けられたコトか・・・
そんな大切なコインを失くすなんて・・・

コイン捜しは彼の書斎にまで及んだ。

「何してるんだ?」

「えっ?」


黒人さんのデスクの下でコインを捜してると彼が入って来た。

私はデスクからカラダを起こして、黒人さんを見る。

彼は切れ長の瞳で訝し気に私を見つめた。

「コインを捜してるの…」


「コイン?あ・・・初恋の人に貰った六ペンスのコインか?」

「そう、そう・・・知らない?」

「・・・知らねぇな…」

黒人さんは素気なく吐き捨て、ブリーフケースをデスクの上に置いた。
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