HONEYBEE(3)～エリート外科医の婿入り婚!!溺愛は御遠慮致します～

私は母子手帳を奏弥先生から受け取り、診察室を出た。

丁度昼時、病院を利用した誰もが食べるコトの出来る食堂にも足を向けた。

彼と出逢った渡り廊下から見える桜もピンク色に色づき始めていた。

「今度の准教授選は楽勝だって…加藤先生が言っていたよ…」

加藤先生…
黒人さんとライバルと言われている心臓血管外科医局の先生だろうか。

「宇佐美先生が心臓外科医として復帰できるのは絶望的だからな…」

やはり、私の思った通りだった。
会話を交わす白衣の先生たちは心臓血管外科医。

黒人さんは復帰する為に、毎日懸命にリハビリに励んでいるのに。

そんな風に同僚たちに冷たいコトを言われているんだと思うと辛かった。

辛いと思う負のキモチに赤ちゃんが反応する。

「ゴメン…ゴメン…」

私は動くお腹を撫でて、謝った。

―――貴方には栄養と楽しいキモチを一杯送らないとね…