HONEYBEE(3)～エリート外科医の婿入り婚!!溺愛は御遠慮致します～

手掛かりは財布の中に忍ばせている六ペンスのコインだけ。
彼を探すのは至難の業。

「貴方が私と結婚したい理由は医局長になる為？」

「医局長はさすがに直ぐには無理だ…今狙っているのは准教授の椅子だな…」

「そう…私は父に孫の顔を見せるわ…だから、この結婚は互いの望みが叶ったら、離婚する結婚にしましょ」

「…つまりこの結婚は期限付きの結婚と言うワケか…」

「それなら…世良さんと結婚出来るわ」

「俺ってそんなに魅力ないか？白ウサ」

「…貴方は唯…宇佐美の名に惚れてるだけでしょ？」



「過去に男で失敗したのか？」
世良さんの渋い表情。
「私のコトはいいでしょ？どうなの？それでいいなら…貴方との結婚承諾するけど…」
「・・・分かった…俺もこれから色々と忙しくなる。お前の提案は受け入れよう…但し、今夜は俺の部屋に泊まれっ。カラダの相性診断も必要だろ？」

「それはそうだけど…」

私は世良さんの一途に注がれる熱い視線に頬を染める。

「帰さないぞ…」
彼の声が妙に鼓膜の奥を震わせた。