HONEYBEE(3)~エリート外科医の婿入り婚!!溺愛は御遠慮致します~
世良黒人
心臓血管外科医局のエース。

三年前…臨床留学の為、渡米し、「コロンビア大学」で心臓病の最先端治療を学び、『大動脈解離』の疫学ついての論文を発表。
未だ不明な点も多く、参考となる調査報告の少ない中、彼は高血圧を原因とし、細やかな病態についての内容を示唆し、心臓血管外科学会の注目を浴びた。

久方振りに見る彼は年を重ね、男の色香にも深みを見せていた。

百八十センチを超える身長、手足も長い。
おまけに端正な野性味のあるマスクで、強い意志を孕ませた鋭い切れ長の瞳はとても魅力的。
一番注目すべき所は彼の指先だ。
指は長く、骨ばっていて一見不器用そうに見えるけど、メスを持てば、繊細な動きを見せる。

若手の心臓外科医としての腕は超一流。
そして彼は・・・
「白ウサ。仕事は終わったんだろ?ちょっと付き合えよ」

「えっ!?でも・・・」

「宇佐美、俺達でやっておくから…行って来い。彼はお前の婚約者だろ?」
鹿沼主任の言う通り、彼は私の婚約者。
でも、私自身は認めてない。
「で、でも・・・」

「ほら、同僚たちもそう言ってる…来いよ」

世良さんは私の肩を馴れ馴れしく抱き、大会議室から連れ出す。
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