HONEYBEE(3)~エリート外科医の婿入り婚!!溺愛は御遠慮致します~
彼が洗面ルームで手洗いとうがいをしている間にポトフをスープ皿に盛り付け、ダイニングテーブルに料理を並べていった。

「さすがはお義母さんのお墨付きだな。今夜も美味そうだな」

最後に晩酌の缶ビールを冷蔵庫から取り出して、彼に「はい」と渡す。

「サンキュー」

二人でダイニングの椅子に腰を下ろして、缶ビールで乾杯する。

「引き継ぎは順調か?」

「…まぁ・・・」

私は缶ビールを一口飲みながら、語尾を濁して曖昧に返す。
本音を言えば、今の仕事を続けたい。
でも、父がそれを許さない。

私も一人娘だから、跡取りとなる男児を産むコトは義務だと感じているけど。

「お前さえ、良ければ…仕事紹介してやるぞ。但し、看護師の仕事だけど…」
「東亜で働けって…」

「俺は何も言ってないぞ…」

黒人さんはシーザーサラダを小皿に二人の分を取り分けてくれた。

「一つは眞白の分だ」
彼は私の前にそっと置いてくれた。
「ありがとう…」

「槇村先輩のクリニックだよ…看護師募集してたぞ…今度、行くし…訊いてみればいい」

「京弥先生の病院か…でも‥看護師の仕事出来るかな?資格はあるけど…現場経験ないし」

「…これから積んでいけばいいコトだ・・・それに、そこなら、直ぐに妊娠検査もして貰えるだろ?」


「…確かにそうだけど…」


「不妊症なら治療もして貰える…一石二鳥だ」

「・・・貴方ね…私を孕ませる気満々ね…」

「…お前が孕みたいんだろ?俺は協力してるだけだ・・・眞白お前…缶ビールは一本にしとけよ…」


「生理が来たから…二本飲んでも大丈夫よ…」

「お前が俺よりも呑み助とは思わなかったよ…」

彼は呆れたように漏らし、ポトフのウィンナーを口に運んだ。

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