HONEYBEE(3)~エリート外科医の婿入り婚!!溺愛は御遠慮致します~
「失礼します」

院長は診察室から戻っていないので不在。

一階から五階までの直通のエレベーターで院長が戻って来た。

「お疲れ様です。院長」

「あ、宇佐美さん…仕事はどう?やれそう?」

「はい…陽依さんに教えられながら頑張っています」

「そうか…へぇー…」

「院長こそ忙しいですね…」

「今日はまだマシだ。月曜日だからね…朝よりも夜の方が忙しい」

「どうしてですか?」

「そりゃ会社帰りの女性が治療に来るから…男性と同じように働いて、疲れてるのに…赤ちゃんを授かる為に診察に来るんだ…国の補助が出るようになったとはいえ、不妊治療にはお金がかかる。安くしてあげたいのは山々なんだけど…それは出来ないし。辛いよ…」


院長はそう言って、椅子に腰を下ろしてノートパソコンを起動させる。

「失礼します…」

陽依さんが院長のお茶を持って入って来た。
「サンキュー伊集院さん。そうだ・・・えーと来週の小宮夫妻のカウセリング。旦那さんが急な出張で来られないって言うから…再来週に延期したいと言っていたんだけど。できるか?確認して」
「承知しました…」

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