HONEYBEE(3)～エリート外科医の婿入り婚!!溺愛は御遠慮致します～

俺と眞白の最初の出逢いも『東亜医科大付属病院』だった。

俺は両親を事故で亡くし、眞白は祖母を心臓病で亡くした。

あの場所は今もある別館と本館を結ぶ渡り廊下。


俺は事故で両親をいっぺんに亡くしてしまった。両親は共に同じ施設で育った身寄りのない者同士。俺は今日から一人ぼっち。

幸い、両親がお世話になった施設の人の世話になるコトが決まった。
でも、もう俺には家族と呼べる人間は居ない。
途方に暮れながら廊下を歩いていると廊下の隅でシクシク泣く小さな女の子を見た。

歳は五歳ぐらい。
長い黒髪に大きな赤いリボンをつけ、花柄のワンピースを着た可愛い子だった。

もしかして、迷子かと思い、声を掛けた。
「どうして泣いてるの？」

俺はカラダを屈め、女の子と目線を合わせる。