HONEYBEE(3)~エリート外科医の婿入り婚!!溺愛は御遠慮致します~
「それが素の君か?」

宇佐美社長の言葉通り、彼女は猫を被っていた。

「貴方の方こそ何よ!!貴方の出世の道具にされるのは嫌よ!!」

彼女の想いを伝える前に、宇佐美社長から勧められた結婚話。
その結婚話に上手く乗ったが、やはり、彼女のキモチは俺になかった。

―――どちらにしても、阿波教授の勧めだ。アメリカ行きの話は断れない。

「まぁ、三年ある…君も真剣に考えてくれ」

「・・・」

眞白は苦虫を噛んだような顔をした。

婚約は唯の保険。

俺の婚約者にしておけば、悪い虫は寄り付かないだろう。

今まで、出逢った女で俺を嫌う女は居なかった。こんな風に全力で嫌がられたのは初めて。
ましてや、俺が真剣に想う相手。

寂しいような気もするけど、これは長期戦だな。
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