レポート
「まだか、、、」
なかなか5Fのランプが灯らないので、イライラしているようだ。
何度も「閉」と「5F」のボタンを、意味もなく順々に連打している。
「まじか、、、」
スマートフォンの画面表示が29から30へと変わった。
エレベーターの降口から研究室までは走れば30秒もかからない距離だが、この状況には彼も頭を抱えるしかなく、、、
「たのむ‼」
神に祈る思いで到着を待つのだが、、、
「おいおい......ちょっと待てよ‼」
確かに、エレベーターのランプには「↑」が表示されているが、何故か1Fの所からランプが移動していない。
エレベーターに乗ってから既に20秒以上は経過しているはずである。
「なんで、なんで?」
神が見放すとは、まさにこのことである。
「ハハハハハ!」
彼は絶望感のあまり、不気味に笑うことしか出来なかった。