レポート

「あの!💢」

 絶望感に苛まれている彼の背後から、甲高い声がエレベーター内に響いた。

「うわっ‼」

 彼はその声に驚いて、ドンッと尻餅をついた。

「誰かいたのかよ。驚いた。」

「さっきから何回も話しかけてたんですけど。」

 彼女は少し怒り顔で、彼に手を差し伸べた。

「サンキュー。てか何。このエレベーター故障してんの?」

「入って来るときに気付かなかったの?」

 そう言うと、彼女は自分の下に置いてあった黄色い看板を指差した。

「えーと、故障中につき、、、点検中⁉」

 彼女はウンウンと深く頷く。

「マジかよ。信じらんね。」

「こっちが信じらんない。アンタのせいでこっちも降りれなくなったんですけど。」



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