レポート

「降りれなくなった?」

「そうよ。」

 彼は一瞬この状況に疑問を覚えたが、今はそのようなことに構っている暇はない。

 このままでは確実に提出時間に間に合わないのである。

 スマートフォンに手をやり、時間を確認しようとするが、ボタンを何度押しても画面が表示されない。

 充電切れである。

「そうだ、あんた今何時か分かる?」

 彼女は左手につけた時計を見せる。

「ろろ6時、さささ32分。終わった、ハハハハ……」

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