レポート
彼女に「自業自得でしょ」と言われても、架はもうイライラは収まっているようで、そんなことはどうでも良い、と言った表情をしている。
そして、すでに来期の単位のことを考え始めていたが、今の状況に腑に落ちないことが1点だけあることに気付いた。
「そう言えば、あんた何で故障中なのに、このエレベーターに乗ってたの?」
すると、さっきまでは答える気もなかった彼女が、おもむろに口を開いた。
「何でって、私が点検してたからよ。」
「そっか。納得、、、」
2人が閉じ込められて、既に1時間が経過しようとしていた。
「って待て待て。WAIT!!」
彼は彼女の方に迫り、じろじろと眺める。
「何、急に、気持ち悪い。」
急に迫られたものだから、思わず頬が染まるのを隠せない。
「すまん。興奮した。」
彼の顔には生気が戻り、天井を見上げていた死んだ魚のような目も、光を取り戻しつつあった。