嫁入り前の懐妊契約~極上御曹司に子作りを命じられて~
結局、周囲に反対されるのではという美琴の心配はただの取り越し苦労に終わった。なんの問題も障害もなく、美琴と礼はトントン拍子に入籍を済ませた。結婚式は子供が無事に産まれてからする予定だ。
そして、ふたりが初めて出会った桜の季節が近づくころに美琴は元気な男の子を出産した。
「アキラ?」
「うん。明瞭の瞭の字でアキラ。どうかな?」
「素敵な名前! いいお名前をもらってよかったね、瞭」
胸に抱きかかえた小さな我が子に美琴は微笑みかける。
「君によく似たまっすぐな子に育てよう」
「私は礼さんに似た優しい子になってほしいです!」
小さな小さなふたりの赤ちゃん。そう思っていたのも束の間、瞭はあっという間にぐんぐんと大きくなった。
「や、やっと寝ついた〜」
もうすぐ一歳を迎えるというのに、瞭は寝ぐずりがひどく美琴はいまだ眠れぬ夜を過ごしていた。隣では礼もほっと胸をなでおろしている。
「今日は常識的な時間に寝てくれたな」
「ですね」
時刻は午後十時半。赤ちゃんの寝る時間としては遅すぎることは美琴ももちろん承知している。けれど、いつもの彼と比べたら今夜はかなり優等生だ。
そして、ふたりが初めて出会った桜の季節が近づくころに美琴は元気な男の子を出産した。
「アキラ?」
「うん。明瞭の瞭の字でアキラ。どうかな?」
「素敵な名前! いいお名前をもらってよかったね、瞭」
胸に抱きかかえた小さな我が子に美琴は微笑みかける。
「君によく似たまっすぐな子に育てよう」
「私は礼さんに似た優しい子になってほしいです!」
小さな小さなふたりの赤ちゃん。そう思っていたのも束の間、瞭はあっという間にぐんぐんと大きくなった。
「や、やっと寝ついた〜」
もうすぐ一歳を迎えるというのに、瞭は寝ぐずりがひどく美琴はいまだ眠れぬ夜を過ごしていた。隣では礼もほっと胸をなでおろしている。
「今日は常識的な時間に寝てくれたな」
「ですね」
時刻は午後十時半。赤ちゃんの寝る時間としては遅すぎることは美琴ももちろん承知している。けれど、いつもの彼と比べたら今夜はかなり優等生だ。