消えない傷・消えない痛み

**帰国


その間、あのぶつかった
女性·····

マリーナ(marina)・スミス(Smith)
28才・銀行員
160cmという小さな身体
そばかすが少しあり
ブルーの瞳の可愛い女性だ。


記憶がないだけで
後は、問題ないから
何度も必要ないと断ったが、
何度も「お願い」と言ってくる
彼女に負けた形で
マリーナは、毎日病室へと
やってきた。

記憶以外に問題ないから
病院側も混乱を避ける為に
無理に過去を思い出さなくても良いと
言われていた。


そのため、俺のアパートメントに
届いた美桜からの荷物は
母親が持ち帰ったらしい。
(後に判明することに·····)


入院から一週間
父親が心配しているらしく
一度、日本へ帰国する事となった。

大学側も心配しているらしい。


日本へ帰国し
父親に会うが、やはりわからなかった
大学の教授も、同じだ。

ただ·····潤天堂大学に行った時に
チラリと見た女性が目についた。


見覚えがある?のか······

スラリとした背丈
綺麗な顔に
長い黒髪を揺らせながら
早足であるいていた。
その女性から
しばらく見ていた。


俺は、酷い頭痛に襲われ
その場に倒れた。

五日ほど入院した俺の横には
マリーナがいた。

日本へ帰るときに
俺と母親と連絡先を交換していた
マリーナが心配して
日本へやってきたらしい

日本へ来たこともないマリーナ。
心配してくれて
駆けつけてくれたことが
俺には、嬉しかった。

両親は、マリーナを気にいった
らしく、色々話を話をしていた。

だが······
美桜に裏切られた俺の心は
徐々に冷めて行った。
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