消えない傷・消えない痛み
二話
**恋人
私と伊織、暖は、高校からの同級生で
大学も同じ、潤天堂大学。
私は、物理学科
伊織と暖は、医学部へと進んだ。
伊織は、外科の医師
暖は、内科の医師を希望している。
大学へ入学した日に
伊織から告白を受け
私達は、付き合いを始めた。
高校の時代からお互いに
気持ちはあったが
大学に合格するまでと
気持ちを伝えることはなかった。
優しくて、綺麗な顔をしている
伊織は、高校でも大学でも
モテモテだが、美桜以外に
目を向けることはなく
美桜とて、伊織の事を
とても愛していた。
美桜のキスも
全ての初めてが伊織だった。
美桜は、実家暮らしだったので
週の何回かを伊織のマンションで
過ごしていた。
母・菊乃は、美桜に恋人が
いることは聞いていた。
伊織は、美桜の両親に
きちんと挨拶をしたいと
言ってくれたが
娘を溺愛する父が
「まだ、早い。」と、会おうとしなかった。
そんな二人を温かく見守って
いるのが暖だった。
暖は、父親を病気でなくしてから
医師を目指し
暖のお母さんは、バイトはしなくてよい
と言っていたが
暖は、バイトをしながら勉学に
励んでいた。
仲の良い私達は、伊織の部屋で
食事をしたり、飲んだりすることも。
料理上手な美桜の手料理を
二人は楽しみながら食べる。
大学三年になると
インターンシップの時期は
お互い忙しくなるが
美桜は、できる限り伊織に寄り添い、
伊織を支えた。
美桜は、大学を卒業と同時に
院へと進んだ。
伊織と暖は、六年を医学部で学ぶ。
成績優秀な伊織に
大学側から卒業と同時に
アメリカのハーバード大学へ留学し
日本とアメリカで医師の免許を
取得の話があり伊織は
美桜と離れる事を悩んだが
美桜に説得されて留学を決めた。