消えない傷・消えない痛み

**再びの⋅⋅⋅手紙


美桜を奪って
    すまない⋅⋅⋅⋅でもなく

美桜を頼む
    わけでも⋅⋅⋅⋅⋅なく


俺に対してのお礼?だけ⋅⋅⋅⋅⋅⋅

拍子抜けして
裏返しにしたり
封筒の中をなんども
確認したが
なにもなかった。

俺は、ビールをぐっと飲み干した。

俺なら出来るなら
なぜ、頼まなかった?
みえか⋅⋅⋅⋅⋅プライドか⋅⋅⋅⋅⋅⋅

俺は、手紙を封筒に戻して
机の引き出しにしまった。

それから半年後
再び高木先生に呼ばれた。


そう、あの手紙には
続きがあったのだ。


高木先生から暖の手紙を
再び預かる。

その時高木先生から
「前の読んだ?」
と、訊ねられて

俺は、一応
「⋅⋅⋅⋅⋅はい。」と、答えた
随分、後にだが⋅⋅⋅⋅⋅

高木先生は、ニコリと笑いながら
「暖が言っていた通りだ。」
と、言ったから
ん?と、思うが⋅⋅⋅⋅⋅
「何でも、ないよ。」
と、言われた。

俺は、手紙を白衣の中に
入れて高木先生の控え室を
後にした。

俺は、そのまま中庭へと行き
暖からの手紙を取り出し

なぜ⋅⋅⋅⋅?⋅⋅⋅⋅
なぜ、また、手紙なんだ?
暖、お前、何を考えている?

手紙の裏、表を見る

表には、
「甲斐 伊織 様」
裏には、
「青葉 暖」

と、書いてあるだけ⋅⋅⋅⋅⋅⋅
< 45 / 83 >

この作品をシェア

pagetop