消えない傷・消えない痛み
**再びの⋅⋅⋅手紙
美桜を奪って
すまない⋅⋅⋅⋅でもなく
美桜を頼む
わけでも⋅⋅⋅⋅⋅なく
俺に対してのお礼?だけ⋅⋅⋅⋅⋅⋅
拍子抜けして
裏返しにしたり
封筒の中をなんども
確認したが
なにもなかった。
俺は、ビールをぐっと飲み干した。
俺なら出来るなら
なぜ、頼まなかった?
みえか⋅⋅⋅⋅⋅プライドか⋅⋅⋅⋅⋅⋅
俺は、手紙を封筒に戻して
机の引き出しにしまった。
それから半年後
再び高木先生に呼ばれた。
そう、あの手紙には
続きがあったのだ。
高木先生から暖の手紙を
再び預かる。
その時高木先生から
「前の読んだ?」
と、訊ねられて
俺は、一応
「⋅⋅⋅⋅⋅はい。」と、答えた
随分、後にだが⋅⋅⋅⋅⋅
高木先生は、ニコリと笑いながら
「暖が言っていた通りだ。」
と、言ったから
ん?と、思うが⋅⋅⋅⋅⋅
「何でも、ないよ。」
と、言われた。
俺は、手紙を白衣の中に
入れて高木先生の控え室を
後にした。
俺は、そのまま中庭へと行き
暖からの手紙を取り出し
なぜ⋅⋅⋅⋅?⋅⋅⋅⋅
なぜ、また、手紙なんだ?
暖、お前、何を考えている?
手紙の裏、表を見る
表には、
「甲斐 伊織 様」
裏には、
「青葉 暖」
と、書いてあるだけ⋅⋅⋅⋅⋅⋅