消えない傷・消えない痛み
**笑う
それから、ふた月の間に
伊織と一度だけ出掛け
三度は、実家に来てくれた。
ショートメールの回数も
少ないが、私はそれで良いと
思っていた。
そんな時に凛さんから
« 美桜、ちょっと来て »
と、LINEが来て
私は、凛さんの元へと
急いで向かった。
そこから見えたのは⋅⋅⋅⋅⋅⋅
マリーナさんと伊織。
伊織の腕には
赤ちゃんが抱かれていた。
ただ······それだけでなく·····
伊織が、微笑んで·····いた·····
凛さんからハンカチを出されて
自分が泣いているのが
わかった。
その涙は、良かったと
思う気持ちと
やはり、私や暖や暖大では
ダメだったのだとわかった。
でも?と考え·····凛さんをみると
凛さんも同じ考えだと思った。
伊織の子だ。·····きっと。
もう、伊織と関わる事は
止めようと思った。
その夜に伊織から
« アメリカに行きます。 »
と、ショートメールがきた。
私は、
« わかりました。 »
と、だけ返した。
気を付けて⋅⋅⋅⋅⋅も
帰ったら、連絡して⋅⋅⋅⋅⋅も
もう、私がする事ではない。
私は、その事を
両親にも話した。
暖大には、悲しい思いをさせて
しまう事が
みんな不憫だった。
父は、また間違ったか⋅⋅⋅⋅⋅と。
母と凛さんは、
「「美桜がパパを探したら?」」
と、言うから
最初は、なに言ってるの?
なんて騒いでいたが
このままだと、ひろが可愛そうだよ
と、言われて⋅⋅⋅⋅⋅考える⋅⋅⋅⋅⋅
翌日、沢田教授から
「美桜、会わせたい人物がいる。」
と、言われて
????と、思っていると
あ~あ、と思い
「教授、すみません。
お気遣い頂きまして。」
「幸せになって欲しいんだ。
私の大事な部下だからな。」
と、真面目に話す教授に
「⋅⋅⋅⋅はい。ありがとうございます。」
と、答える。
凛さんも、と思ったが······
実は、凛さんは、高木先生事
高木 晋二さんから
告白を何度も受けて
断っていたみたいだけど
根負けして
お受けしたらしい。
凛さんには、幸せになって欲しい。
私や暖大のそばに
ずっといてくれて
ずっと、私達を守ってくれていた。
人の事ばかりで······
そんな優しい凛さんだから。
幸せになって欲しい。