消えない傷・消えない痛み
**お迎え
凛さんと高木先生の元へ
男の子が·····
高木 泰成(たいせい)君
美桜と蒼大の元へ
女の子が·····
夏目 桜花(おうか)
暖大は、桜花も泰成も
とても可愛がってくれていた。
美桜は、一年の育休後に復帰した。
教授は、私がいない間
バイトを雇っていた
バイトと言っても大学の生徒を。
暖大は、保育園に通い始め。
蒼大と行ったり
じいちゃんと行ったり
お迎えは、ばあちゃんだったり
さっちゃん(お義母さんの事)
だったりだ。
蒼大は、海外に赴任しない代わりに
出張で呼ばれて行く。
家の中では、
美桜べったりで
暖大とも同レベルで全力で遊ぶような
人だが、仕事はやはり出来るようで
信頼されている。
今も中国に呼ばれて行き
今日、帰国する。
母から、
「たまには、お迎え行ったら」
と、言われて
父と母に暖大と桜花を
お願いして空港へと向かう
お義父さんは、今、エジプトに
行かれている。
搭乗ゲートの隅に立っていると
蒼大の姿が見えた、が·····
綺麗な女の人と腕を組んで
出てきた。
やはり、来なければ、良かったと
見なければ、知らずに済む
と、思っていると
「浮気か?」
と、声をかけられて
ハッとみると
「伊織?」
「代わりないか?」
と、言われて
「あっ、うん。元気よ。」
と、話していたら
「美桜!!」
と、蒼大が私の腕を引き
伊織から離す。
「あれ?あの女性は?」
と、訊ねると
「女性?ああ、飛行機酔いをされて
足元が不安定だったから
腕をかしてあげた。」
と、言う蒼大に
そうなんだと思っていると
「だから、行かなくて良いと
言ったのに。」
と、伊織。
誰に言っているのかと思っていたら
「だって、マリーナの里帰り
心配だったから。」
と、さっき蒼大と腕を組んでいた女性
すると、伊織が
「母親だ。」
と、言うから
びっくりしていると
「お袋、前に話した美桜だ。」
と、言うから
「夏目 美桜と申します。」
と、挨拶をすると
「わぁ。あなたが?
綺麗!、可愛い!
美桜ちゃん。ごめんなさいね
指輪、勝手に持って帰って。」
と、言うから
「いいえ、なんとも思っていません。
こちらこそ、申し訳ありません。」
いえいえ····
でも····
本当に····
と、言い合っていると
笑いがでて、四人で笑ってしまった。
伊織も笑えていて
美桜は、ほっとしていた。
やはり、マリーナさん効果だと。
伊織と伊織のお母様と別れて
「美桜、浮気、と思った?」
「うん。来なければ良かったと
見なければ知らずに済むからとね。」
「あのね、ないから。
絶対に、ない。」
と、力説する蒼大に
「そうだね。蒼大はしないね。」
と、言うと
「そうだよ。俺は美桜にベタぼれて
骨抜きにされているから。」
「なんだか、良いこと言われてる
気がしない。」
と、笑っていると
「そう。でもお迎えきてくれて
ありがとう。」
と、手を繋ぎながら歩く
「ところで、寄り道しても?」
と、言われて
どこへ、と思っている間に
空港のホテルで
蒼大が納得するまで抱かれ
「·····もぅ···むり····っ·····」
「····まだっ···だよっ···み···ゆっ····」
目が覚めたら
蒼大に抱き締められて寝ていた。
今は、22時
帰らないと、と蒼大を起こすと
「帰ろうか?」
と、二人でシャワーを浴びて
近づいてくる蒼大を
避けながら着替えをして
帰宅した。
母から子供達を受け取り
家に入り、子供達の部屋へと
寝かせて、私達も着替えて
ベッドに入ると
蒼大が後ろから抱き締めるから
蒼大の身体に背中を預けて
お腹に回った手に手を重ねると
一肌が気持ち良くて
眠りに引き込まれた。
そんな美桜に
「大好きだよ。」
と、頭にキスをして
蒼大も目蓋を閉じた。