消えない傷・消えない痛み
「俺は、美桜の事がずっと
好きだった。
だけど、美桜と伊織が
お互いに想いあっていることは
わかっていたから
自分の気持ちは、胸の奥に
置いていたんだ。
だけど、伊織が美桜を
大事にしないなら
大切にしないなら
俺も、自分の気持ちを
伝えてもよいのかな
美桜に俺に対して気持ちがないことは
わかっているけど。
俺は、美桜が好きだ。
俺のことを見て貰えないか?」
と、言われた。
「暖、ごめん。
私何も気づいてなくて。
····本当に·····ごめん·····。」
私と伊織をどんな気持ちで
見ていたのだろうかと
思うと、たまらなかった。
「伊織は、俺の自慢の親友で
美桜は、俺の大事な女友達で
二人が大好きだから
そんな二人が幸せならよいと
思っていたから。
気にする必要はないよ。」
「私も、暖が好きだよ。」
「友人としてね。」
「··········」
「いいんだよ。それで。
でも、少しだけでも
俺を見て欲しい。」
と、改めて言われて
「うん、わかった。
暖、真剣に考えるね。」
と、ずっと、私を想ってくれた
暖だから、真剣に考えないと
行けないと思った。
その日は、それで帰宅したが
LINEの交換をしたので
自宅について
『着いたよ』
と、LINEをすると
『俺も。』
と、暖から返事がきた。
返信がくる事が
こんなに嬉しいなんて······
たかが····LINE
だけど······
それしか、繋がっていない
私達の間に·····
返信も·····なく····
さらに既読にならない·····
その事は、私の心に
大きく凝りとして残った。