消えない傷・消えない痛み
十五話

**幸せ


その日も沢山蒼大に愛される。

「·····んっ···そうっ··た··もぅ···むりっ···」
「うっ····んんっ···みゆっ···
     あいしっ·····て····る····」
目を覚ますと蒼大に抱き締められて
寝ている自分を
本当に幸せだなぁ、と思いながら
蒼大の胸に頬を擦り寄せる。

蒼大の腕に力が入ったが
スースーと寝息が聞こえる。

そんな蒼大の腕から
そっと抜けだし
服を身に付け、蒼大の頬に
キスをして、キッチンへ。

朝食の準備をすると
変わらない朝がくる
可愛い、可愛い息子のひろが
起きてきて
「ママっ、おはよう。」
「ひろ、おはよう。
パパ起こしてくれる。」
「はぁ~い。」

少しすると······

ワイワイ、ガヤガヤと
三人がやって来て
桜花は、私に手を出し
私も桜花を抱き締めて
「桜花、おはよう。
蒼大、おはよう。」
「▪♭⋅*−﹦﹢」
「美桜、おはよう。」
と、言い
「頬にキス、ありがとう」
と、耳元で囁くから
真っ赤になってしまった。
気づいていたんだ·······。。。

三人の姿を見ながら
本当に、幸せだと
噛み締める。

伊織に捨てられ
暖との幸せな時間を無くし
もう、恋や愛····結婚とは
遠退いてしまった、と思っていた。
壊れた私の心に
ずっと寄り添ってくれた、
凛さんと沢田教授

暖との絆で
暖のお義母さんからの
頂いた愛情

いつも私を助けてくれて
私を大切に大事にしてくれる両親

無限な愛をくれた···暖

可愛くて、可愛くて
たまらない
私の宝物の暖大と桜花

ずっと前に私を見つけてくれた
優しい······
お義父さん・夏目教授

私を初めから
愛し、慈しんでくれる蒼大。
伊織にしても
暖に対しても
思いはあると思うが
いつも私の気持ちを尊重
私だけを見てくれる蒼大。
蒼大の愛に包まれて
その中が、あまりにも温かくて
あまりにも居心地が良くて
大事に···大切にされて
ずっぽり塚ってしまった私は
もう、蒼大なしでは
生きて行けない。

ありがとう·····蒼大。

こんな、私を見つけてくれて
こんな、私を愛してくれて

ずっと····ずっと·····
あなたのそばで·····
いさせて·····下さい······ね·····

「美桜、行ってくるね。」
の、蒼大の声に我に戻ると
「愛してるよ。」
と、私の唇にキスをして
私を見つめるから
「私も」
と、答えると
蒼大の方が真っ赤になりながら
見つめるから·····
唇に手をあてて慌てている蒼大に
「気をつけてね」
と、蒼大とひろに手をふる。
まだ、玄関にいる蒼大を
「ほら、パパ、行くよ。
バイバイ。ママ、桜花。」
と、ひろに手を引かれて行く
蒼大に可笑しくなり
笑ってしまった。

その後·····

« 帰ったら、覚悟してね。 »
と、蒼大からLINEが来ていた。

それを見てクスクスっ、笑っていると
凛さんから、コツンとされ
見上げると
ニヤリと笑っていた。



暖·····

沢山の愛をありがとう。

私は、とっても幸せだよ。

本当に····ありがとう。



           End
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