消えない傷・消えない痛み
暖と穏やかな日々を過ごしていた。
まだ、気持ちの中に
伊織がいて
返事の出来ない私に
暖は、
「待つよ。今までも待ったんだから。」
と、毎回言ってくれた。
暖とは、毎日LINEをしている。
『おはよう』
『おはよう』
『お休み』
『ゆっくり寝ろよ』
そんなたわいない返事でも
私には、嬉しかった。
「何、ニヤニヤしてるのよ。」
「あっ、凛さん。
ニヤニヤなんかしてませんよ。」
「してたわよ。気持ち悪く」
「あっ、ひど~い。」
「あはは。それで?」
「友人からLINEの返信があったから。」
「美桜、あなた。」
「おかしいでしょ?」
「ううん、三年も
そんな思いしたのだから。」
「凛····さん·····
やはり、凛さん好きだな。」
「あら、私はずっと、美桜が好きよ。」
「おい、おい、止めてくれよ。」
「「教授!お父さん!」」
教授は、私達を見て笑っていた。
たぶん、私に何かあった事は
わかっている。
だが、教授は凛さんに任せていて
くれているのが、わかる
本当に優しい人達だ。
凛さんには、たくさん泣き顔や
愚痴?弱さを見せてしまった。
凛さんだって
色々あっているかも知れないのに
私の事を心配して
気にかけてくれる。
伊織の事で
何度、発狂しそうになった·····か
要らないなら、要らない
別れたいなら、別れたいなら
終わりたいなら、終わりたい
他に想う人が出来たら
そう····言って······欲しかった······
宙ぶらりんで
終わらせられた
想いをどこにぶつけて
よいか·····わから·····なかった······
そんな、私をずっと
見守ってくれた凛さんに
暖との話をきいてもらった。