寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「僕の大切な人です。」

ドキッとした。

小沢さんの大切な人。私が?

こんなに、綺麗な顔立ちをしている人の、大切な人。

ぽーっとなっている私の肩を、小沢さんが叩く。

「三ツ木のじいさんに診てもらえれば、もう大丈夫だよ。」

「こら、坊!じいさんではなく、先生と呼べ。」


そして母は、この病院の2階の端の部屋に、入院する事になった。

母の細い腕に、点滴の針が入って、痛そうだった。

私と小沢さんは、静かに母が目を覚ますのを待った。

「私は、この後どうなるのでしょう。」

ふいに、小沢さんに聞いてみた。

「まずは、僕の屋敷に来てほしい。そして、父に妾として紹介する。」

「その……妾の話なんですが……」

私の中で、心臓がトクントクン言っている。

「私は、小沢さんに、抱かれるという事なんでしょうか。」

返事がない。

ゆっくりと、小沢さんを見ると、彼は私を見つめていた。

「僕に抱かれるのは、嫌?」

「あっ、いえ、そういう意味ではなくて……その、何と言うか……」
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