寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
私の母も、父が寝るまでは相手をしていた。

父が酔いつぶれるまで、たまにお酒も一緒に飲んでいたという。


そして戸が叩かれる音がした。

「はい。」

私が部屋のドアを開けると、徳次郎さんが立っていた。

「バーボンをお持ちしました。」

「バーボン?」

「坊ちゃまの寝酒でございます。」

そして私の手の中へ、お酒とコップとおつまみが添えられたお盆が乗せられた。

「全ては坊ちゃまの言う通りに。」

「はい。」

何の事か分からないまま、徳次郎さんはドアを閉めた。


「えっと……お酒が来ました。」

「ああ。こちらに。」

言う通りに、椅子に座る保さんの前に、お酒を置いた。

「お注ぎしますか。」

「ありがとう。」

私はそっと、お酒の蓋を開けた。

その瞬間、ムワーッとお酒の匂いがした。

「随分、強いお酒を、お飲みになるのですね。」
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