寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
第3話 見合い話
そしてある日、廊下に出ると、女中達がひそひそ話をしているのを聞いた。

その中には、あのちよさんもいた。

「ちよさん、何かあったの?」

私が話しかけると、ちよさんはハッとして、黙ってしまった。

「ん?」

女中達は、私の顔を見ると、そっと散らばっていく。

「どうしたの?」

「いえ。」

話しかけても、皆私に知られたくない様子。

「ちよさん。何があったの?保さんの事?」

そう聞いても、ちよさんは黙ったまま。

「お願い。保さんの事、もっと知りたいの。」

するとちよさんは、廊下の隅に私を連れて来た。

「まだ、決まった話ではありませんが。」

「なに?」

ちよさんは、私に耳打ちをした。

「……坊ちゃまに、お見合いの話が出ています。」

「お見合い!?」

「しーっ!」

ちよさんは、口に指を当てた。
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