寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「ご主人様がお呼びでございます。」

「分かったわ。直ぐ行きます。」

「はい。」

私は立ち上がると、鏡の前で化粧を直した。

お父様には、泣いているところなんて、見られたくない。


部屋を出ると、ちよさんが廊下で待っていてくれて、私をお父様の元に連れて行ってくれた。

ちよさんが、書斎の扉を叩く。

「旦那様。小花様を連れてきました。」

「中に入り給え。」

扉が開くと、お父様は窓の側に立っていた。

「小花さん。話があるんだ。」

「はい。」

私はお父様の側に行った。

「まあ、ソファーにお座りなさい。」

「そふぁー?」

聞き返すと、お父様が西洋の大きな椅子を指さしたので、私はそこに座った。


「話と言うのは、保の事だ。」

「はい。」

「落ち着いて聞いてくれ。保に見合い話が持ち上がっている。相手は、公爵家だ。橋本家も貴族だが、格が違う。松永殿の方が位は上だ。」

ズキッと胸が痛い。
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