寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
そんな事を思っても、私には拒絶する事はできない。

でも、ダメ元で言ってみようかな。

私は部屋を出ると、ちよさんを呼んで貰った。


「今日、保さんが来ても、具合が悪いと断って欲しいのだけど。」

「分かりました。そのように伝えます。」

意外とちよさんは、すんなり受け入れてくれた。

「ねえ、ちよさん。どうしてそんなに、私に親切なの?」

するとちよさんは、私の腕を触った。

「何を言っているんですか。小花様の味方ですよ、私は。」

「ちよさん。」

この屋敷に来て、初めての友達に出会た気がした。


でも、状況はまた違ったものになった。

ちよさんを通じて、保さんが部屋に来るのを断ったのに、保さんは私の部屋にやってきてしまった。

「具合が悪いと聞いた。大丈夫か?」

綺麗な顔が、私を見つめる。

ああ、やっぱり涙が出た。

「どうした?何があった?」

「何があったって、お父様に聞いているでしょう?」

「もしかして、見合いの話を聞いたのか?」
< 48 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop