寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
それからは、毎日のように、保さんに抱かれた。

もう保さんから、香水の匂いはしない。

マダムのところへは、行っていないんだ。


そして今日も、保さんは私の部屋へやってくる。

「小花。会いたかったよ。」

保さんはそう言って、私の額に口づけをした。


飲むお酒は、いつもと同じバーボン。

その香りにも、最近慣れてきた。

「バーボンを、お持ちしました。」

「ありがとうございます、徳次郎さん。」

すると、徳次郎さんが私をジーっと見た。

「えっ?」

「最近、小花様は色気が出てきましたね。」

「いろけ?」

「男を惹きつける魅力が備わったという事ですよ。」

「はあ。」

ふいに徳次郎さんは、私の耳元に囁いた。

「この調子で、子供の件もお願いしますよ。」

徳次郎さんはそう言うと、機嫌良さそうに行ってしまった。
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