寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
部屋の中に入ると、さわかさんは、中央の大きな椅子に座っていた。

その隣の小さな椅子に、お付きの人が座っている。

さわかさんは、私の身なりを見て、スッと立ち上がった。

私が侍女ではない事を、悟ったのだ。


「初めまして。小花と申します。」

「松永さわかでございます。」

二人で頭を下げる。

「さあ、お座りになって。」

私はさわかさんに、座るように促した。

そして私は、向かいにあった小さな椅子に座った。


だけど、何をお話したらいいか、分からない。

「本日は、いいお天気ですね。」

迷った挙句出てきたのが、天気の話だ。

「そうですわね。ところで小花さんは、おいくつでいらっしゃるの?」

まずい、先手を取られた。

「……18です。」

「では、私の方が二つ年上ね。保様に、こんなお若い妹君がいらっしゃったなんて。」

妹ね。

ここは正直に言った方がいいのかしら。
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