寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「そこまでだ。」

さわかさんと一緒に振り返ると、後ろに保さんが立っていた。

「保さん、いつの間に!?」

私が立ち上がると、さわかさんも立ち上がった。


「松永さわかと申します。」

「小沢保です。早速の話で申し訳ないんだが。」

さわかさんと保さんは、まだ立ったままだ。

「僕は婚約の話を、承諾していない。」

「えっ?」

「大変申し訳ないんだが、僕と会ったところで、結婚できる訳ではないんだ。今の内に諦めてくれ。」

さわかさんは、茫然としている。


「他に聞きたい事はないか?」

「……山ほどあります。」

さわかさんは、可愛い顔で保さんを睨んでいる。

「一旦、腰を降ろそう。」

保さんの一声で、私達はそれぞれの椅子に座った。

その時だった。

ドアが開いて、お父様が客間に入って来た。

「挨拶は済んだかな。」
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