寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
第5話 遅くなる仕事
そして、婚約パーティーの日取りは、来週の木曜日に決まった。

さわかさんは、保さんのお休みに合わせて、日曜日に打ち合わせに来た。

「ご機嫌よう、お父様、保様。」

「ああ、ご機嫌よう。さわか嬢。」

私はその様子を、廊下の隅で見ていたけれど、相変わらずお父様は、さわかさんにご執心な感じ。

隣にいる保さんは、終始無表情だ。


「こちら、お土産にお茶を持ってきたので、お淹れしてもよろしいですか?」

「ああ、いいよ。茶室を用意しよう。」

茶室?

この家、茶室なんてあるの?

するとさわかさんが、きょろきょろと周りを見る。

「今日は、小花さんはいらっしゃらないの?」

「小花さんは、部屋にいるな。保。」

「……はい。」

私は急いで、廊下の奥に隠れた。

まさか、廊下の隅から3人を覗いていたなんて、はしたない事秘密にしなきゃ。

「私、小花さんとも、一緒にお茶を飲みたいわ。」

「いいね。小花さんを呼んで来なさい。」

お父様の近くにいたちよさんが、私の部屋に来る。

私も部屋に戻らなきゃ。
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