寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
そして次に保さん。

最後に、私にお茶を差し出した。

皆の目は、私に注がれる。

私がお茶を飲む作法を知っているのか、試しているのだ。

「頂きます。」

茶器を持ち上げ、スーッと飲み、口を付けた場所を拭いた。

するとお父様から、”ほーっ”という声が上がった。

「小花さんは、華道の他にも茶道の心得があると見えるな。」

「母に教わりましたので。」

その瞬間、さわかさんの眉がぴくっと動いた。

「華道もお母様に?」

「はい。」

分かる。さわかさんの手が袖の中で、握られている事を。


「何か、誤解しているようだけど、小花もご令嬢だからね。」

保さんが、私の側に寄る。

「あら、どこのご令嬢なのかしら。」

「橋本雄一氏のね。」

「橋本様の!?」

さわかさんは、父の名を聞いて、驚いているようだった。
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