寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「おいおい。」

そしてコップのバーボンが無くなり、もう一杯注ごうとすると、保さんに止められた。

「もう寝よう。今夜は遅くなった。」

「はい。」

私が椅子から立ち上がると、保さんは私を後ろから抱きしめてくれた。


「誰が僕に恋をしていても、僕が恋しく思うのは、小花だけだ。」

私はそっと、保さんを見つめた。

「疑っているのかい?」

「だって、まだ出会ってそんなに時が経っていないから。」

その瞬間、保さんの唇が私の唇を塞いだ。

「一目惚れだって、言っただろう。」

「私、そんなに美しくないわ。」

「困ったな。どうすれば、僕の気持ちを分かってくれるのだろう。」

そう言うと保さんは、私を抱きかかえて、ベッドに横にさせた。

「これは、身体で教えてくれって事なのかな。」

私を見降ろす保さんの表情が、色気を増す。


こうして私は今日もまた、保さんの腕の中で、甘い声で啼くのだ。
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