寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
そして、婚約パーティーを明日に控え、さわかさんがまたこの屋敷を訪れた。

「小花様。さわか嬢が、小花様をご指名です。」

「えっ?私にご用?」

何の事だろうと思いながら、私は客間を訪れた。


今日は白っぽい着物で、清楚さを出しているさわかさん。

「ご機嫌よう、小花さん。」

「ご機嫌よう……」

あの笑顔が怖い。

一体、どんな用事があって、私を呼んだのだろう。

私は、さわかさんが座っている椅子の、真向かいに座った。


「小花さん。最近、保さんとは会えて?」

「お顔は拝見しています。一緒に寝ているので。」

「それは結構な事。でも、いつまでそれが続くのかしら。」

私は、頭を傾げた。

「どういう意味ですか?」

するとさわかさんは、クスッと笑った。

「最近ご自分のお帰りが遅い事、保様はなんて仰っているの?」

「……仕事で問題が起きていると。」

「問題ね。」

そしてちよさんが、ちょうどよく、お茶を持って来た。

それを飲みながら、さわかさんは微笑みをたたえている。
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