寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「会社にいると思います。」

「連れてくるわ。」

私は急いで、馬車を用意させた。

「お一人で、大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫よ。」

そして私は1人きり、馬車に乗って、保さんの会社に向かって貰った。


会社は、そんなに遠くもなかった。

ものの15分くらいで、辿り着いた。

私は馬車を降りると、会社の人を探した。

「すみません。小沢保は、まだ会社にいますか?」

「いますけど、君は誰?」

煙草を吸っている紳士に、名前を名乗っていいのか、分からなかった。

「ええっと……家の者だと言えば、分かります。」

するとその紳士は、手をポンッと叩いた。

「君、小花ちゃんだ。」

「えっ?」

ファーっと、煙草の煙が飛んでくる。

何、この匂い。

「僕はね、小沢の友人の三橋です。」

「ご友人……」
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