寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「松永様達は、恥をかきますよ!」

「それは後で、謝っておく。」

「もう!」


すると友人の三橋さんは、あはははと笑い出した。

「いやあ、保も頑固だけど、小花ちゃんもなかなかだね。」

笑っている三橋さんに、苛立つ。

「笑っている場合じゃないんです。小沢家の行く末が、かかっているんです。」

「へえ。」

「へえ……じゃ、ありません!」

何だって、二人共そんなに呑気なの!?


「そう言えば保。前から結婚しないって言ってたけれど、何でなんだ?」

「言っただろう。母が結婚で苦労したって。僕が結婚しなければ、不幸になる人が1人減る訳だ。」

「でも、小花ちゃんは側に置いておきたい。それは、身勝手というものではないか?」

「身勝手?」

保さんは、ソファーから立ち上がった。

「僕は、小花を大事にしたい。小花以外に女はいらないんだ。それのどこが身勝手だと言うんだ。」

「だって、そこまで想っているのであれば、小花ちゃんと結婚すればいいだろう。」

「えっ……」

私は目を丸くした。

「ずっと一緒にいたい。だから、結婚する。これからはそういう時代だ。」
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