寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「もう一度言う。小花、僕の妻になってくれるね。」

そして差し出されたのは、大きな宝石のついた指輪だった。

「これは、僕の母が付けていた結婚指輪だ。未来の妻である小花に、受け取って欲しい。」

「お母様の形見の指輪を!?」


増々、周りはざわつく。

保さん、親同士が決めた結婚を否定していたけれど、大丈夫なのかしら。


「小花。君の気持ちを聞かせて欲しい。」

「保さん。」

「正直な気持ちを聞かせてくれ。」

私の目からは、涙が流れた。

「私の気持ちは、保さんと同じです。」

「それじゃあ……」

「私も保さんと結婚したいです。」


周りから起こった拍手と共に、私は保さんの腕の中に抱き寄せられた。

さわかさんは、両親の元に行って、悔し涙を流している。

本当にこれでよかったのかしら。

こんな大きな場所で、公爵家に恥をかかせて。


「何が、結婚だ!」
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