寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
拍手を打ち破ったのは、小沢のお父様の声だった。

「保!私は、さわか嬢以外の娘と結婚する事を、許さんぞ!」

「どうしてですか?僕が結婚をしようと思ったのは、小花だけです。」

「だが周りをよく見ろ。」


お父様に言われて周りを見ると、皆、私達を物珍しそうに見ている。

やっぱり、親同士が決めない結婚なんて、皆認めてくれないんだわ。


「小花の父上は、僕達の事を認めてくれています。後はお父上の決断次第じゃないですか。」

「だから、認めんと言っているだろう!」

お父様は、さわかさんのお父さんの前に行って、頭を下げている。

その時だった。

「もういい。」

さわかさんは、床を見つめ泣いていた。

「今日はもうこれで帰るわ。」

そう言って、泣きながらさわかさんは、広場を出て行った。

「小沢君。私達も今回は、帰らせて貰うよ。」

そう言って、松永氏とその夫人も、広場を去った。


「小沢の坊ちゃまの結婚を祝ってやりたいところだが、まだ結婚が認められていないとなると、我々も一旦退くか。」

お客様達も、それではと動き出して、広場を後にし始めたのだった。
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