愛され王女は王の道をゆく
 摩訶不思議な力である異能。
 その中でも魔術が出来ることは多岐に渡る。
 その一つに身体強化という物があったことを、アルバート伯爵は思い出す。


「私がなんで《円卓の騎士》を全員外に出したと思う?
 簡単な話よ。私に護衛が必要ないから。
 彼らは私の最高の騎士たちよ。私の指示などなくても、貴方たち反乱軍から愛しき民を、守り抜いてくれているでしょう」


一人だけこの城の警備に残せば、傷つき小娘一人殺すのがやっとの人生の先輩の到着って訳ね――と、続けるアナスタシアは、想定通りに状況が動いたことに満足そうに笑顔を作る。

 自分が傷つき女王に襲いかかることから、精一杯の状態でこの王の間に到着することまで、全てが彼女の筋書き通りだと知ったアルバート伯爵は驚愕した。

 一体、この女王のどこが飾り姫だというのだろうか?

 どう考えても誰も足元に及ばない――彼女の《円卓の騎士》たちでさえも。


「私にどうしてこれほどの力があるか不思議そうね?
 簡単な話よ。初代国王、アルフレッド・リー・クウォールは国王でありながら《騎士王》と呼ばれる当時最強の騎士でもあった。
 《円卓の騎士》はそもそも十三の席があるのよ? ――もう分かるわよね?」
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