愛され王女は王の道をゆく
第一章・飾り姫と呼ばれた王女
その日、歴史を大きく動かしたその日。
王国は三つの反応を示した。
祝福の声と、二種類の反発の声だ。
その日、飾り姫と呼ばれた王女が、女王への道を歩み始めたその日。
やがて歴史書の一ページを飾る、記念すべき日であった。
† † †
朝の日の光を浴びて、まだまどろんでいる意識を覚醒させる。
ぼーっとしながら意識を整えたら、侍女を呼び身支度を整える。
それが、次期国王となった今でも変わらない、アナスタシアの日課だった。
「アナスタシア様、とてもお似合いです。さすが、第一王妃様の御息女様でいらっしゃいます。
どんな髪型でも似合う艶やかな髪は、私たち女性の憧れです」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。
何せ亡くなった母から受け取ったものなんて、本当にこの髪くらいだもの」
そう言って自らの手で梳いた髪は、窓から差す日の光で輝く淡い金髪だった。
性格は優しく、見た目も麗しく、賢くて気遣いのできる少女。
それこそが、第一王妃が残した忘れ形見、アナスタシア・グレース・クウォールという第一王女の体外的な評価であった。
身支度を整え、さて朝食でもと動き出した時、不意に部屋のドアをノックする音が聞こえた。
王国は三つの反応を示した。
祝福の声と、二種類の反発の声だ。
その日、飾り姫と呼ばれた王女が、女王への道を歩み始めたその日。
やがて歴史書の一ページを飾る、記念すべき日であった。
† † †
朝の日の光を浴びて、まだまどろんでいる意識を覚醒させる。
ぼーっとしながら意識を整えたら、侍女を呼び身支度を整える。
それが、次期国王となった今でも変わらない、アナスタシアの日課だった。
「アナスタシア様、とてもお似合いです。さすが、第一王妃様の御息女様でいらっしゃいます。
どんな髪型でも似合う艶やかな髪は、私たち女性の憧れです」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。
何せ亡くなった母から受け取ったものなんて、本当にこの髪くらいだもの」
そう言って自らの手で梳いた髪は、窓から差す日の光で輝く淡い金髪だった。
性格は優しく、見た目も麗しく、賢くて気遣いのできる少女。
それこそが、第一王妃が残した忘れ形見、アナスタシア・グレース・クウォールという第一王女の体外的な評価であった。
身支度を整え、さて朝食でもと動き出した時、不意に部屋のドアをノックする音が聞こえた。