旦那様は征服者~帝編~
*****帝 side*****
「じゃあ、紫織。
行ってくるね」
俺の腕の中で見上げる、紫織。
可愛い……
「行ってらっしゃい」


車内━━━━━━━━━━
「皇帝様、煙草どうぞ」
車に乗り込むと、すぐ佐倉が煙草をくれる。
「あぁ」
俺は紫織の前では煙草を吸わない。
一度煙草を吸った後に、紫織とキスをして紫織がかなり咳き込み、呼吸困難のようになったことがあるからだ。
自分でもびっくりしている。
あれだけヘビースモーカーだったのに、今は朝行きの車の中だけしか吸っていない。
まぁ、まとめて吸ってるようなものなので、あんま変わらないが。

「佐倉」
「はい」
「お前、見た?」
「何をでしょう?」
「紫織の肩」
「噛み痕ですか?」
「やっぱ見たよな」
「見えますよ。あんな目立つとこ」
だよな━━━━
あの画像を見た途端、言い様のない嫉妬心でいっぱいになり、余裕がなくなっていた。
いつもは誰にも見えないとこにしてるのに………

紫織が忠実に俺の言い付けを守ってくれるので、安心しきっていた。
そんな時に限って、こんな風に触れられたりするんだ。
紫織には内緒だが、紫織が外に出る時は監視をつけている。
男が紫織に触ろうとした画像も、その監視役が送ってきたものだ。
まぁ、今日は外出しないと言っていたので、誰にも見られることはないだろう。

「でも大丈夫なんですか?あんなとこに傷があれば見られるのでは?」
「は?」
「明日のパーティーです。紫織様も連れて行かれるのでしょ?」
あ━━━!
そうだった………
さぁどうするかだな…
なんとか隠すようにしないとな…!


なんか最近、少しずつ余裕がなくなってきている━━━

*****帝 side・終*****
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