旦那様は征服者~帝編~
所有物
「うわぁ…結構目立ってるなぁ。今回のは痛かったなぁ…」
自分の肩を見ながら、ため息をつく。
肩といっても、首に近いところなので隠すのも難しい…
しかもかなり強く噛まれたので、傷も深い。
治りも遅いだろう。

でもこれが帝の“愛の証”なのだ。
私は放れられない以上、受け入れるしかないのだ。



「あー。醤油忘れてる…」
昨日買い忘れたんだ……
でも今日はどこにも行かないって行ったし……
とりあえず、帝に電話を━━━━

プルプル………
『紫織?どうしたの?まだ昼前だよ?』
「あの今からちょっと外に出たいんだけど……いい?」
『どうして?』
「昨日買い忘れたものがあるの」
『うーん。今日はダメ!』
「え?でも、お料理が……」
『ちなみに何を買うの忘れたの?』
「お醤油だよ」
『だったら今日は飯作らなくていいよ?外で食事しよ?』
「え?いいの?」
『うん、だから俺が帰るまで今日は外に出ちゃダメだよ?』
「うん、わかった」

ピッ━━━━!
まさかダメと言われるとは思わなかった。ちゃんと報告すれば、いいって言ってくれてたのに。
「でも外食って、どうしたんだろ?」
帝はあまり外に出るのを嫌がる。
帝がヤクザなのもあり、命を狙われやすいから。
あと私を誰にも見せたくないからと言って。

まぁ、いいや!
久しぶりだ!外食なんて!
何着てこうかな~?
私はクローゼットへ向かった。
< 13 / 34 >

この作品をシェア

pagetop