旦那様は征服者～帝編～

｢いただきます｣
帝が大きな口で、ご飯を頬張る。
｢うん。旨い！｣
｢そう？良かったぁ｣
私もご飯を食べ始めた。

先に食べ終わった帝が、私の髪の毛や頬にキスをして遊び出す。これは、帝のいつもの癖。
そして頬杖をつきながら、
｢ねぇ紫織？
今日の予定は？｣
｢え？あ、今日はお買い物行って、銀行に行くよ。その後はすぐ帰るよ｣
｢うん、わかった。あと何かあれば……？｣
｢すぐに帝に電話…｣
｢そう。わかってるよね？｣
｢うん｣

ピンポーン━━━━
｢あっ来られたね｣
｢紫織。必要以上に話さないでよ！｣
｢分かってるよ｣

玄関の鍵を開け、佐倉さんを家の中へ。
｢おはようございます｣
｢おはようございます、紫織様。皇帝様は？｣
帝は他のみんなに“皇帝”と呼ばれている。
皇蛇 帝の頭文字をとって。

｢ダイニングにいますよ｣
｢わかりました。では、失礼します｣
ダイニングに入っていく、佐倉さん。

その後ろをついて行った。
｢皇帝様。おはようございます｣
｢ん。紫織。ネクタイして？｣
｢うん｣
帝のネクタイを、しめる。
その間も帝は私で遊ぶ。
｢よし！できたよ｣
｢ん。ありがと。紫織、キス｣
｢うん…｣
背伸びして、帝の口唇に自身の口唇を押し付けるようにキスをする。
佐倉さんがいるとか、気にしてられない。
私は帝に逆らえない。

｢じゃあ、行ってくるね｣
｢うん。行ってらっしゃい｣
帝と佐倉さんが、出ていく。
それを玄関まで見送り、一息ついた。
｢ふぅー｣